「や、やめろよ…消してくれよ」
恳愿する拓海、だが沙优には消去するという选択肢はない。
「これからよろしくね、拓海お兄さん?」
それからというもの、沙优は事あるごとに拓海に金銭をねだった。
拓海も反抗しようとするがやはり例の映像がある限りは头が上がらない。
沙优自身も今の状态をキープするために、时たまに拓海の性欲を刺激してペニスを扱かせていた。
拓海が沙优に送金した际に、际どい写真や动画を拓海に送信しているのだ。
これにより拓海の反抗心も徐々に薄れていった。
沙优にとって都合のいい人间の完成であった。
10年前の9月10日。人生の転换日だ。あの日は今でもよく覚えている。
夜遅くまで残业して仕事を终えた后にタクシーで病院に駆けつけた。本来なら妻の横で励ますべきだったのは知っている。
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ただ、どうしても外せない仕事だったんだ。
夜间外来の受付を済ませ、残暑感じる気温の中、上着のスーツを手に下げ必死に走って、走って、走って。
妻のもとに访れたときには、既に。
子どもが産まれていた。
「おめでとうございます。可爱らしい女の子ですよ」
妻の横で、小猿のようなしわくちゃの顔で泣いている赤ちゃんの姿が见える。どことなく妻に似ているが、僕には全く似ていない。気のせいだろうか。
看护妇さんに祝福されて。
义母と义父が涙を流して喜んでいて。
赤子の泣き声は容赦なく父亲としての责任を求めているように闻こえて。
ついに僕も亲になる、というに高扬感は间违いはない。
けれど。
その感情にはどこか违和感があった。
本心なのか?
周りが喜んでいるから、自分も喜んでいるだけじゃないのか?
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周りが求めるから、父亲として振る舞おうとしてるだけじゃないのか?
泣き止む様子のない娘は、まるで他人のように远い存在に感じた。
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娘が産まれて以降、结婚生活はうまくいっていない。
仕事は顺调で稼ぎはあるほうだった。
幸せな家庭を筑こうと、家を建て、车を买い、不自由しないためのお金を贮めて。
全てを揃えたと思っていたのに。
「パパなんだから、もっと育児に兴味を持ってよ」
妻の不満が爆発したのは娘が産まれてすぐのことだった。仕事一筋の生活に変化はなく、家族を蔑ろにしてまで働いていたことが原因だろう。
けれど働かなければ生活はできない。僕の育児参加は、申し訳ないが谛めさせてしまった。
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