ほとんど子育てに関わらないまま成长した娘は、僕を嫌っている様子はない。ただ、泣き止まない娘に手を上げたことは几度とある。娘が参加してほしいと頼んできた运动会や参観日を反故にしたことも一度や二度ではなく、悪い父亲だと思っているだろう。
父亲になれば何かが変わると思っていたのに、10年の年月を経ても、娘が未だ远い存在に思えて仕方なかった。仕事に溺れ、仕事に甘えていたんだ。
そんな亲としての自覚の无さに、妻との沟が深まり喧哗が絶えない日々が続いている。娘の前で口论となり、涙する妻の姿を何度も何度も见せてしまった。そろそろ夫妇仲も限界を迎えていると、妻も感じていることだろう。
离婚の话を考え始めたとき、娘に质问したことがある。パパとママ、どっちについて行きたい? と。
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「パパとママ、选ぶことなんてできないよ」
娘の悲しそうな声は忘れられなかった。
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そして现在に至る。
时世の影响で出勤をせず、毎日部屋に引きこもってリモートワークを行なっている。会社に出社するのは月に1日程度だ。
ただ、この働き方が良いわけではなかった。気軽に面と向かって会话する机会の减少、オンオフの切り替えが容易に行えないため、人によっては作业が进まないものがいた。
チームひとりの进捗が遅れれば全体に影响を及ぼす。不惯れな労働形态は歪みを起こし、シワ寄せを僕が引き受けることとなった。休みもなく、ずっとずっと働かなければならない。
同じ家にいるのに、家族に顔も合わさない日が続いていた。いや、顔を合わせなくていいから働いているのかもしれない。
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だったら、なんのために働いているのだろう。
何もかも苦しい。辛い。
仕事が行き诘まって进捗が上がらず头を抱えている。そんなときだった。
「今からお风吕に、一绪に入ろう?」
ドアの外から、娘からのお诱いの声が闻こえる。
时计は夜の8时を回っていた。
「ママと一绪に入りなさい」
僕がこんな性格だからか、娘はとても闻き分けの良い子に育ってくれた。
いつものように跳ね除ければ、今日も言うことを闻いてくれると思った。
しかし、今日は様子がいつもとは违う。
「パパと一绪がいいの。いっつもママとお风吕に入ってるもん。今日だけは一绪がいい!!」
「お仕事が忙しいからダメなんだよ」
「やだ、やだやだやだ!! パパがいいの!!」
駄々をこねる娘は久しぶりだ。
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