息を荒くして怪盗の胸にすがりつく姿は、警官どころかもはや人间とも思えない有り様であった。
视覚、嗅覚、触覚、味覚、聴覚……。
五感すべてを支配された警官は気が付かなかった。
沈黙した无线机の向こうで警察の仲间が怪盗のグループが细い路地に入ったと叫んでいることに。
そして、件の路地とは今まさに警官が怪盗相手に胸を堪能していることに。
「――おまたせ~? いや~、今日の警察はマジ本気で警备体制ガチガチすぎ~。ドロシー姉、脱出ルート确保お疲れ様~……ってうわっ! そいつが警官? ふがふがってキモい声あげててマジでキッモ……」
「肯定。もはや人间としての尊厳ゼロ。完全に魅了されているにしても、この姿は见るに堪えない。我々の逃亡计画は成功した。これ以上の足止めは不必要と思われる」
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「そう言わずに? 男ってこういう情けない本性を隠してるから可爱いのよ? 先に行ってて? すぐに追いつくから?」
すべては影のように駆けてきた二人の美少女怪盗――警官に色仕挂けを仕挂けた怪盗の仲间の脱出逃亡を支援するための计画だったのだ。
度重なる怪盗の胜利に、今回こそはと威信をかけて警备体制を作り上げた警察は、まさしく厳戒态势で予告状に记载されていた日を迎えた。
流石に厄介だと思った怪盗団は、警官を诱惑することで逃亡を可能にするプランを作り上げ、実行に移したのだった。
そのための事前调査で最も适切な――チョロい相手と思われたのが、今现在胸に顔を埋めて腰を虚空に向けて「ヘコヘコ?」と振っている警官であった。
计画は成功し、露骨に気持ち悪そうな顔をした仲间の二人を见送って、女怪盗は完全に自身の胸に梦中になった男を见下ろした。
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完全に乳魅了にハマった警官をどうするか、女怪盗は考える。
(硬い膝で股间を「ドカッ?」と撃ち抜く金的攻撃で昏倒させようかしら。
それとも、ズボン越しにもはっきりと勃起したテントを「スリスリ?」と优しく擦ってあげるのもいいかも。
いや、いっそ何も与えず突然消えることで、饥饿感を煽り今后も使えるスパイとして役立たせるのもありかもしれないわね……?)
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长く幸福な梦を见ていた気がする…。
それが、近卫兵モージが目を覚ました时に、最初に心に浮かんだことであった。
「…んっ……ここは?」
长い眠りから覚めたばかりの眼には、魔力による灯りが赫灼と辉いて见える。
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